門下生(内弟子)生活で何をするの?とか
どんなことを習ったの?とか
聞かれることがあります。
人によって違いますので、一概に言えません。
具体的な技術の話をするわけにもいきません。
このあいだ
あ、そういえば、というのを思い出しました。
「“決め技”を何にするか?」
という課題をいただいたことがあります。
それぞれ一番得意なものを、井本先生の体をお借りして評価していただきました。
こういう課題で先生に評価していただけるのは、大変貴重な経験でした。
ところで“決め技”ってなんでしょう?
分かりにくい話ですが、
“決め技”という考え方は整体の特長をよく表している気がします。
整体の技術はみな中心に力を集めるようになっておりますが、“決め技”で体に覚えこませている、と私は感じます。
最後にひとつ“まとめる”と言いますか、“統一させる”というような、そんな感じです。
そしてもちろん「こうしてもらった」という患者さんの中に残るものとして必要になります。
しかし
これで“決める”というのは、日常的には通用する考え方ですが、手技療法としては話が通りにくい考え方のようです。
純粋な技術上の観点もありますが、感受性を大切にする整体ならではの発想を感じます。なかなかこういうのは、はっきりとした技術として認識されにくいのです。
一般的には“決めゼリフ”なんていうのもありますので、誰もが知っております。
他にも
宴会の後に“三本締め”をしないと“決まり”が悪いような気がする、とか
拍子が揃ってないとやり直したくなるとか、あります。
エンジンを切るときは必ず一度空ぶかしする、とか
靴の紐は最後に「キュ!キュッ!」と二回締める、とか
ライターを軽く手の中で遊んでから火を点ける、とか
映画のエンディングロールが好き、とか
何となく自分の“決まった感”や“腑に落ちる感”を大切に生活するかたは多いかと思います。
またそういうのが“決まらない日”は何となく落ち着きません。
体が“決まりにくい状態”なのでしょう。
“決め技”が必要なのかもしれません。
整体はそんな技術です。
2009年6月18日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
お問い合わせ
最新の投稿
『大衆運動』エリック・ホッファー 『一揆論』松永伍一
『大衆運動』エリック・ホッファー 新訳が出るとのこと。読みたいですね。この時代に新訳が出るのは意義深いと思います。 ホッファーはなぜ人々が集まって社会運動をするのか? という単純な疑問から人間の性質や来し方行く末を思索する。 一つ一つの論考が短めに完結していて、含蓄満載なので読...
人気のある投稿
-
『大衆運動』エリック・ホッファー 新訳が出るとのこと。読みたいですね。この時代に新訳が出るのは意義深いと思います。 ホッファーはなぜ人々が集まって社会運動をするのか? という単純な疑問から人間の性質や来し方行く末を思索する。 一つ一つの論考が短めに完結していて、含蓄満載なので読...
-
古(いにしえ)の治水技術にそこはかとなく惹かれるものがあり、親戚を訪ねた折に立ち寄ってきました。 【ざっくり解説】 山梨県甲斐市竜王町。釜無川と御勅使川の合流地点。 古代から氾濫原であり、定住には適さない。 武田信玄(1521-1573)の指揮で治水事業が行われた。 いくつかの治...
-
新型コロナと呼ばれたウイルスも世代を重ねてオミクロン株にほと んど置き換わったらしい。 現時点での私の見解を書いておく。 ◎2つめの結論 すがれる科学はない ▲エビデンスは当てにならない。 「科学データはまぎれのないもの」といった盲信があるが、 まぎれだらけだ。 だからSNS上で...
0 件のコメント:
コメントを投稿